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 Q&A


ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝
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第52回 ビジネスモデルとマーケティング


 2019年1月10日、わが国における唯一のビジネスモデル総合誌「BMAジャーナル(Business Model Association Journal)」の最新号が一般公開された。インターネットやスマートフォンに匹敵するインパクトを社会にもたらそうとしているブロックチェーン社会の到来を考える、というのが特集的な内容だが、いまは世界一のブランド価値の高いアマゾンや5G包囲網に遭遇してしまっているファーウェーのことを思いながら、「ビジネスモデルとマーケティング」を題とする拙稿「巻頭言」を書かせて頂いた。

 いうまでもなく、アマゾンとファ−ウェイは全く異なる業界に存在しているグローバル企業であり、最近読んだ関連記事や書籍から連想したのはやはり「顧客」という視点である。大事だけというならあまりにも当たり前ではあるが、顧客が求める価値、いわば「顧客価値」とは一体何によって、どのように変わり続けているのか、この古くて新しいテーマのほうが気になる。

 というか、顧客というキーワードはビジネスモデル論とマーケティング論の根底に繋がる共通点の一つだとも思う。思えば一時期、いや今でも、これは、「ビジネスモデル」と「マーケティング」の共通点とは何か、について考える際に時に述べた管見の一つである。あえて極端に言うと、マーケティング論は顧客がどこに居るのかを探すことに資し、ビジネスモデル論は想定顧客でも顧客を原点にしたビジネスモデルを創ることに役に立つ、はずである(拙稿)。



   
          
      

 思えば、ビジネスモデルとマーケティングについて考える時に、その「関係性」について考えるならば研究者的な発想ではないか、と思い、その「関連性」について考えるならば実務者的な発想である、と思うが、如何だろう。というと、関係性と関連性とは何が違うのか、というように質疑されるかもしれないが、調べてみたら、関係性とはあるものが他のものと何らかのかかわりを持つことであって、関連性はかかわりつながること、かかわりあうことである、という解説はある。

 なぜかわかるようなわからないような解説ともいうべきだろうか、とも思ったりするが、研究者は俯瞰的に物事の本質を追求するのが一種のミッションなので、冷静に関係性を明らかにすることで、さまざまな事例に応用しうるように考える。これに対し、実務者は経営現場の出来事に対し必要なさまざまな側面の関連性を明らかにし、関係者一丸に事業課題を解決していくよう情熱に動かなければならない。このように理解するが、如何だろう。

 ところで、話は変わるが、冒頭で述べたBMAジャーナルの最新号では、どのような内容が掲載されているのか。平野学会長による「ビジネスモデル学会2018年秋季大会」の目的やプログラム全体の解説・紹介に続き、同大会の講演に登壇された方々のスライドを提供している。すなわち、「ブロックチェーン社会の到来とそのインパクト」「分散型ビジネスモデルの可能性と課題」「ブロックチェーン最前線」「ブロックチェーン全体像とユースケースの可能性」である。

 ブロックチェーンとは何か、業界のプレーヤーは誰なのか、ブロックチェーンの活用領域はどこなのか、ビジネスや社会へのインパクトとは何なのかなどについて、全体像の提示や示唆の提供に務めている。関心を持たれる方は是非こちらにてお読みください。


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