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 Q&A


ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝
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第14回 再生可能エネルギーのビジネスモデルを考える


 来る2012年10月20日(土)、東京大学本郷キャンパス工学部新2号館にて、ビジネスモデル学会2012年秋季大会が開催される。大会テーマは、「再生可能エネルギーのビジネスモデル」である。

 大会実行委員長の林田収二氏は大会趣旨について次のように述べている。すなわち、「3.11原発事故を境に日本にとってエネルギー問題の意味合いが一変し、脱原発(省原発)を前提とした電力エネルギー生成、利活用の『集中から分散へ』、『地産地消』を基軸とした『イノベーション』そして『パラダイムシフト』が不可欠となってきた。

 本学会は、2012年秋季大会を、『再生可能エネルギーのビジネスモデル』をテーマに掲げ、単なる原発是非論争を超えた、再生可能エネルギーの現状と将来展望につき、ビジネスモデルの視点から俯瞰し議論する場とした。再生可能エネルギー大国への先導的立場や関連ビジネスの最先端で御活躍の方々に、日本が直面するエネルギー問題に対し再生可能エネルギーが実効的解決策たりうるのか、ビジネスとして持続可能性を持ちうるものなのかなど、講演やパネルディスカッションを通して、核心をつく議論をしていただく。

 日本の目指すべき「再生可能エネルギーのビジネスモデル」について、参加者の方と共に考察し、新たな発見をする一日といたしたい。」

 このような趣旨から、先週開催された同学会の定例運営委員会では、真剣な議論の末最終プログラムが確定された。太陽光発電、水力発電、燃料電池など、多様な再生可能エネルギーをめぐるビジネスモデル関連の議論がビジネスモデル学会にて熱く展開されそうになった。






日時: 2012年10月20日(土) 10時-18時 交流会18時-20時
場所: 東京大学本郷キャンパス工学部新2号館


 筆者は学会運営委員の一人というより、以前から大会テーマに関連する諸業務の一部に携わったことがある。たとえば、「自然エネルギーを活かした冷却活用事例の現状調査」「未利用排熱エネルギーの活用に関する現状調査及び提案」「京都議定書がデータセンタ・ビジネスに与える影響の調査分析」「アジアにおけるデータセンタ・ビジネスの基本的な現状調査」「エネルギー計測、監視ビジネスの現状と動向に関する調査検討」等(内容の提示はこちら)であることから、大会趣旨に非常に共感し、第一線で活躍される方々による講演にも期待する。

 基調講演は、福島原発事故独立検証委員会委員長の北澤宏一氏で、テーマは「日本は再生可能エネルギー大国になりうるか−福島原発事故の検証からー」である。同氏は、東京大学大学院修士課程、マサチューセッツ工科大学博士課程修了し、東京大学工学部教授、科学技術振興機構理事長を経て現在同顧問で居られる。日本学術会議会員で、専門分野は物理化学、固体物理、材料科学、磁気科学、超伝導工学である。とくに高温超伝導セラミックスの研究で国際的に知られ、80年代後半、高温超伝導フィーバーの火付け役を果たす。2009年度応用物理学会業績賞を受賞。福島原発事故独立検証委員会委員長として指揮してこられた同報告書は広い関心を集めている。

 ところで、再生可能エネルギーのビジネスについていえば、その事業の収益性というか採算性が時々問われている。成功した事例ではどのようなビジネスモデル、とくに収益モデルが構築されているのか、成功を追求している事例ではどのようなビジネスモデル、とくに収益モデルを構築しようとされているのか、関係者にとっては関心点の一つになると言えよう。「日本は再生可能エネルギー大国になりうるか」、ビジネスモデルとの関連から、この機会に大会とともに考えたい。


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