中国ハイテク産業に関する俯瞰的、横断的、比較的な立体像の提供を目指しつつ、知的財産を尊重し、営業秘密を厳守し、信頼関係を大切にするサイト
TopPage編集要点一覧の森現地の風文化産業知財事情SiteMap
統計抜粋イベント日中マッチング広場レポート参考説明

ハイテク産業の起源:火炬計画|関連政策等の動向|参考メモ:日本の対中政策等


国家中長期科学技術発展規画綱要
転載元:WINEP

 目次 >

四.重大特定プロジェクト

 これまで、「両弾一星」、有人宇宙飛行、ハイブリッド米(交雑水稲)等を代表とする重要プロジェクトが我が国の総合的な国力向上に貢献してきた。米国、欧州、日本、韓国等も、国家競争力の向上のために、重大特定プロジェクトを国家目標として実施している。

 本綱要は、重要分野における優先課題を決めると同時に、国の目標に向け、特に重点を置いて、重要な戦略的製品、重要基盤技術又は重要エンジニアリングについて、重大特定プロジェクトとして実施する。全国的な協力ができるという社会主義制度の強みと市場メカニズムの役割を十分に発揮し、ブレークスルーを成し遂げ、科学技術の発展を生産力の飛躍的発展の牽引力とし、国家戦略の空白を埋めることを目指す。重大特定プロジェクトの選定基準:一、経済社会の発展の必要に応えるとともに、重要技術の自主知財権の形成につながり、企業の自主創新能力の向上の推進力となる戦略的な産業であること。二、産業競争力の全体的な向上に強く影響する重要基盤技術であること。三、経済社会発展の重大なボトルネックを解決する課題であること。四、軍民結合、軍民転換を実現し、国家安全保障と総合国力の向上にとって重大な戦略的意義を有する。五、我が国の国情に適合し、国力に見合ったものであること。以上の原則に基づき、ハイテク産業の成長、伝統産業の向上、国民経済発展のネックとなる課題、国民の健康レベルの向上及び国家安全保障等の各分野を対象に、重大特定プロジェクトを選定した。実施に当たっては、国家の発展上のニーズと実施環境の成熟度を勘案しつつ、一つ一つ論証を行う。また、国の戦略的なニーズと発展状況の変化に応じ、プロジェクトの進捗を臨機応変に調整し、段階的に進める。戦略的製品を対象となるプロジェクトは、研究開発と資本投入において企業が主体的役割を十分に発揮するようにし、重要設備の研究開発を企業の技術創新の契機とし、科学技術資源の配分に当たって市場メカニズムを有効に利用し、国家資金は主に重要技術の開発に用いることとする。

 重大特定プロジェクトは、国家目標を実現し、重要技術のブレークスルーと資源の集中を達成し、一定期間期間内に重要戦略的製品、重要基盤技術、重要エンジニアリングを完成させるものであり、我が国の科学技術発展にとって、重要課題中の最重要なものである。本「綱要」では、情報、バイオテクノロジー等の戦略的産業分野、エネルギー資源・環境及び国民衛生等の緊急課題、軍民両用技術及び国防技術等他分野にわたる次の16項目を重大特定プロジェクトとして選定する。@重要電子部品、Aハイエンド汎用チップ及び基礎ソフトウェア、B超大規模集積回路製造技術、C次世代ブロードバンド・モバイル通信、DハイグレードNC工作機械及び基盤製造技術、E大型油田、ガス田及び炭層ガスの開発、F大型先進加圧水型炉及び高温ガス冷却炉原子力発電所、G水系汚染の抑制と管理、H遺伝子組換え生物新品種の育成、I重要新薬の開発、Jエイズやウイルス性肝炎等の伝染病の予防・治療、K大型航空機、L高解像度地球観測システム、M有人宇宙飛行及び月面探査事業、等。

     
目次 >
五、先端技術

 先端技術とは、ハイテク分野において先見性、先導性、探求性を有する重要技術を指し、次世代のハイテク及び新興産業の発展の重要な基礎となり、国のハイテク創新能力を総合的に体現するものである。先端技術の選定基準:一、世界的に最も進んだハイテクの前進方向と一致するもの。二、我が国の今後の新興産業の成長の牽引力となるもの。三、産業技術の更新にプラスに働くもの。四、人材が揃い、研究開発の基礎条件が整えているものである。この基準に基づき、早期に進んだ先端技術への取組みを初め、将来の発展における科学技術の指導的な役割を発揮し、我が国のハイテク研究能力と産業の国際競争力を高める。

1.バイオテクノロジー

 バイオテクノロジーと生命科学はやがて21世紀の科学技術革命の牽引役となり、ゲノム学(Genomics)とプロテオミクス( Proteomics)の研究が、バイオテクノロジーの系統的な研究を促進している。ゲノム配列解析と遺伝子構造解析は、既に機能ゲノムの研究と機能遺伝子の発見・利用の段階に達している。医薬品や動植物品種の分子の指向性設計と構築は既に種質と医薬品研究の中心的な方向となっている。バイオ・チップや幹細胞とティッシュエンジニアリング等の先端技術の研究とその利用は診断・治療又は再生医学の飛躍的な進歩をもたらすに違いない。我が国も、機能ゲノムやプロテオーム、幹細胞、治療クローニング、ティッシュエンジニアリング、また、生体触媒及び生体反応技術等の面において、成果をあげなければならない。

★先端技術

(1)標的分子の発見・同定技術

 標的分子の発見・同定は新規医薬品の開発や生物学的診断・治療技術に大いに関連している。特に、生理と病理のプロセスにおいて、中心的遺伝子の機能と遺伝子制御ネットワークの解明、疾病に関係する遺伝子機能の解明、遺伝子発現制御、標的分子の絞込み及び実証技術、また、「遺伝子から医薬品へ」の新しい医薬品の開発・生産技術等の研究を行う。

(2)動植物品種及び医薬品の分子設計技術

 動植物品種と医薬品の分子設計は、生体巨大分子の三次元構造に基づく分子接合、分子シミュレーション及び分子設計技術のことである。特に、蛋白質と細胞の動的プロセスの生物情報分析・統合・シミュレーション技術、動植物品種と医薬品の仮想設計技術、動植物品種の発育と医薬品の代謝工程のシミュレーション技術、コンピュータによる化合物データベース設計・合成・スクリーニング等の技術を研究する。

(3)遺伝子操作及び蛋白質工学技術

 遺伝子操作技術は遺伝子資源を使用する際の中心技術であり、蛋白質工学は遺伝子産物を効率的に利用するための重要ルートである。特に、遺伝子の効果的な発見とその制御技術、染色体の構造と統合技術、遺伝子蛋白質コードの人工設計と改造技術、蛋白質のペプチド結合の修正及び構造変更技術、蛋白質構造解析技術、蛋白質の量的な分離・精製技術を重点的に研究する。

(4)幹細胞を基礎とするヒト・ティッシュエンジニアリング技術

 幹細胞技術は、人体外で幹細胞を培養し、指向性分化させ、臨床治療のために組織細胞を提供したり、人体外で人間の器官を作り、再生治療に使ったりする技術である。特に、治療クローニング技術、幹細胞の人体外での増殖と分化技術、人体外のヒト組織の再生と大量培養技術、ヒトの多細胞組織の再生と一部修復技術及び生物再生技術を研究する。

(5)次世代の工業バイオテクノロジー

 生体触媒と生体反応は次*世代の工業バイオテクノロジーの主たる内容である。特に、機能性細菌の大量選別技術、生体触媒の指向性進化技術、生体触媒の工業量産への応用技術、環境触媒浄化剤の開発・製造技術及びその工業生産の工程技術を研究する。

2.情報技術

 情報技術は、引続き高パフォーマンス・低コスト、普及力のあるコンピューティングと知能化等の方向を辿っている。今後の情報技術分野においては、新たな計算・処理の方式とその具体的実現が課題となるだろう。ナノテクノロジーやバイオテクノロジー、又は認知科学等の各分野間の交流により、生物特性に基づき、画像と自然言語への理解を基礎とする「人間中心」の情報技術が更に発展し、各分野における創新が更に促進されると思われる。特に、低コストの自己組織ネットワークや個性的な知能ロボット、人間とコンピュータの相互作用(HCI)、柔軟性が高く不正侵入防止機能の強いデータネットワークと先進的な情報セキュリティーシステムを研究する。

★先端技術

(6)インテリジェント・センシング技術

 特に、生物学的特徴に基づき、自然言語と動的画像への理解を基礎とする「人間中心」の情報の知能的処理と制御技術、中国語情報処理、また、バイオメトリクス認証と高度道路交通システム(ITS)等の関係分野の系統的な技術を研究する。

(7)自己組織ネットワーク技術

 特に、MANET、Self-organized Computing Network、SAN(Storage Area Network)、無線センサーネットワーク等の技術研究、低コストの情報のリアルタイム処理システム、多数の探査情報の融合技術、個性的な人間とコンピュータの相互作用(HCI)技術、また、柔軟性が高く不正侵入防止機能の強いデータネットと先進的な情報セキュリティーシステム、自己組織知能システムと個人的知能システムの研究を行う。

(8)バーチャルリアリティー技術

 特に、電子学、心理学、制御学、コンピュータグラフィックス学、データベース設計、リアルタイム分布システムとマルチメディア技術等の多分野融合の技術の研究、また、医学、娯楽、芸術と教育、軍事及び工業生産管理等の数多くの関連分野のVR技術とシステムの研究を行う。


3.新材料技術

 新素材技術は、材料の構造・機能の複合化、機能材料の知能化、材料と部品との集積化、調製と使用過程のエコ化等を実現していくだろう。特に、近代的な材料の設計・評価・特徴表現と先端てきな調製・加工等の技術をブレークスルーし、ナノテクノロジーの研究を基礎に、ナノ素材と素子を研究し、超導体素材や知能素材またエネルギー材料等特別な機能の持つ材料を開発し、スーパー構造材、新世代光電子装置用材料等の新素材を開発する。

★先端技術

(9)インテリジェント材料・構造の技術

 知能化素材・構造とは、センサー・制御・駆動(実行)等の機能を一体にした知能化構造システムである。特に、知能化素材の調製・加工技術、知能化構造の設計と調製の技術、中心設備の制御と寿命制御の技術等を研究する。

(10)高温超伝導技術
 特に、高温超伝導材料とその調製技術、超伝導ケーブル、超伝導電機、超伝導電力部品等の研究、また、超伝導生物医学部品、高温超伝導フィルタ、高温超伝導非破壊検査装置と走査型磁気力顕微鏡等高感度センサーの研究を行う。

(11)高効率エネンルギ材料技術

 特に太陽電池関係の材料とその中心技術、燃焼電池の中心素材の技術、大容量の水素貯蔵材料の技術、高効率な二次電池用材料とその中心技術、スーパーコンデンサーの要となる重要な材料と調製の技術、高効率なエネンルギ転換・エネルギー貯蔵材料等の研究を行う。

4.先進製造技術

 先端製造技術は、いよいよ情報化・極限化・エコ化という方向に行き、将来的に製造業の維持とその持続可能の発展の基礎となるだろう。特に、極限製造(Extreme manufacturing)、システムの集積と協同の技術、知能化生産と応用技術、ユニット設備とシステムの設計検証技術、信憑性の高い大型で複雑なシステムと設備を基盤としたシステム設計技術の研究に取り組む。
 
★先端技術

(12)極限製造技術

 極限製造とは、極限の条件や環境の下に、極限の寸法(極めて大きな、または極めて小さい寸法)や超高機能な部品またはファンクションシステムを構築することを指す。特に、マイクロ電子機械システム(MEMS)、マイクロ・ナノ加工、超精密加工、スーパーシステムの実現と強磁場での加工関係の設計や製造工程と検査技術を研究する。

(13)知的サービスロボット

 知的サービスロボットは、非構造環境において、人間に必要なサービスを行う多数の先端技術の集積から出来た知能化設備である。特に、サービスロボットと極限作業ロボットの実用ニーズを中心に、設計方法や製造工程、知能制御、アプリケーションシステム集積等の基盤技術を研究する。

(14)重大な製品及び重大な施設の寿命予測技術

 重要製品と重要設備の寿命予測技術は稼動の信頼性・安全性・管理性を高める中心的技術である。特に、部品素材の成分設計や成型加工の予測制御と最適化技術を研究し、成型製造プロセスのモデリングとシミュレーション予測技術、製造プロセスにおいての現場検査・評価技術、部品寿命予測技術、重要製品や複雑システムと重要設備の信頼性・安全性・寿命予測技術を研究する。

5.先進エネルギー技術

 エネルギーの将来的な課題は経済的・効率的・クリーンな利用と新エネルギーの開発にある。第四代原子エネルギーシステム、核燃料サイクルと核融合エネルギー等の技術の開発がますます注目され;多ルート入手可能の理想的なエネルギーキャリアーとして、水素はエネルギーのクリーン利用に新たな変革をもたらし、クリーンで弾力性が強いといった特徴を持つ燃料電池動力と分散型エネルギーシステムは最終エネルギー利用の新たな方式となるだろう。特に、水素エネルギーの量的利用と分散型エネルギーシステム、原子エネルギーと核燃料サイクル技術を研究し、二酸化炭素の排出がゼロに近い効率的・クリーンな化石燃料の開発利用技術、低コスト・高効率の再生可能エネルギーの技術を開発する。

★先端技術

(15)水素エネルギー及び燃料電池技術

 特に、コストパフォーマンスの高い化石燃料と再生可能エネルギーからの水素製造技術、経済的で高効率な水素の貯蔵と輸送技術、燃料電池の基盤となる触媒の調製及びスタック集積技術、燃料電池の発電及び自動車の動力システム集積技術、水素エネルギーと燃料電池の技術規則・基準を作成する。

(16)分散型エネルギー技術

 分散型エネルギーシステムは最終利用者に弾力的で省エネ型の総合的なエネルギーのサービスを行う重要ルートである。特に化石燃料を基盤とするマイクロタービン及び新熱エネルギー・リサイクル等の最終的なエネルギー転換技術、エネルギー貯蔵技術、冷暖同時コージェネ(CCHP)技術、再生可能燃料と化石燃料の相互補完と中心とするマイクロタービンと燃料電池を融合した分散型エネルギーシステム。

(17)高速中性子炉の技術

 高速中性子炉とは高速中性子による核分裂の連鎖反応を起こし、核増殖を実現する原子炉であり、ウラン資源の十分利用を確保し、原子力発電所からの長寿命放射性固体廃棄物を処分することもできる。高速中性子炉の設計とその重要技術、関係原子力燃料と構造材料の技術を研究し、ナトリウムのリサイクル等要となる技術をブレークスルーし、65MW高速中性子炉実験装置を構築、臨界と系統連系型発電を実現する。

(18)磁場閉じ込め式核融合

 国際熱核融合実験炉の建設と研究を契機に特に、大型磁性超伝導体技術、マイクロ波の加熱と駆動技術、中性粒子入射加熱法、ブランケットの技術、トリチウムのリアルタイムの分離精製技術、ダイバータ技術、数値シミュレーション予測、プラズマの制御と診断技術、デモ炉に必要された重要材料の技術、また、超高温プラズマの物理学的研究とエネルギーを目標とする非トカマク方式の探索研究を行う。

6.海洋技術

 機能・パラメーターの多様化と作業の長時間化を持ち合わせた総合的な海洋開発技術を重要視し、深海作業の総合的な技術力を高めて行く。特に、天然ガスハイドレートの探査・開発技術や海洋鉱物資源の海底採取と輸送技術、現場での効率的な抽出技術、海洋工学の技術の研究に取り組む。

★先端技術

(19)海洋環境の立体的な監測技術

 統合的海洋観測の技術とは、空中・海岸・海面・水中等から同時に海洋環境を観測する技術である。特に、海洋リモートセンシング技術、アコースティックエミッション計測法、海洋観測ブイ、遠距離海洋レーダーシステムの研究を行い、海洋情報の処理・応用技術を発展させる。

(20)大洋海底パラメーターの高速測定技術

 統合的な深海調査技術は地球物理学・地球化学・生物化学等多くの面から海底の各パラメーターを同時に測定し、情報のリアルタイム伝送を実現する技術である。特に、異常な環境においてのセンサー技術、センサー自動的識別技術、海底情報伝送技術等を研究する。

(21)天然ガスハイドレート開発技術

 天然ガスハイドレートは深海または地下にある炭化水素である。特に天然ガスハイドレートの探査理論と開発技術、地球物理学的・地球化学的な天然ガスハイドレートの探査と評価技術、天然ガスハイドレートの掘削と安全的な採掘の技術をブレークスルーする。

(22)深海作業技術

 深海作業技術は深海海底の作業と鉱産の採掘の基盤となる水中技術である。特に大深度海底の輸送技術,生命維持システム技術,高エネルギー動力装置の技術,信憑性の高いサンプリングと情報の遠距離伝送技術、深海作業の設備の製造技術と深海ステーションの技術を研究する。

7.レーザー技術

8.航空宇宙技術

目次 >



All Rights Reserved
利用規約免責事項個人情報広告出稿お問合せ