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 Q&A


ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝
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第43回 気象ビジネスの市場創出とビジネスモデルの開発


 この度、経済産業省の補助事業である「次世代物流システム構築事業」の一環で、一般財団法人日本気象協会が実施主体として3年前にスタートした「需要予測の精度向上による省エネ物流プロジェ クト」は、食品ロスと二酸化炭素排出量の削減に効果があるとして、@「第 17 回物流環境大賞」の大賞、A「平成 28 年度省エネ大賞」製品・ビジネスモデル部門経済産業大臣賞(ビジネスモデル分野)」、そしてB「第4回食品産業もったいない大賞」農林水産省食料産業局長賞といった 3 つの賞を受賞された。

 筆者は3年前から、一応学識委員の一人として、同プロジェクトコンソーシアムに参加し、また予定外に委員長を務めさせて頂き、他の製配販学メンバーの方々と共に、微力ながらこの3年間プロジェクトをサポートしてきた。率直にいうが、私はもともと気象予測に詳しい人間ではなかったので、 3 年前に初めて日本気象協会さんからこのプロジェクトの話を聞いたとき、実は半信半疑だった。

 しかし、3年前最初に頂いた資料は私の興味を強く惹きつけるものだった。食品ロスや物流のムダがこんなにも大きな問題になっているのか、というショックも大きかった。新たな技術の活用や事業開発を考えるとき、たまたまの一時的な利益を求めるかどうかではなく、それが長期にわたってどれほど社会的課題の解決に貢献できるかが大切であると思うものとして、このプロジェクトには、その可能性があると感じた。そして、このプロジェクトでいう「アンサンブル予測」とは具体的にどんな技術なのかを知りたい気持ちが強くなった。


 あっという間に3年間。日本気象協会をはじめ、年々増えてきたコンソーシアムメンバー一同の団結力、突破力、持続力によって、予定通りの成果が得られたと実感する。同協会はこの 3 年間で蓄積してきた多様なリソースをベースにしながら一層ビジネスとして成立させて、結果的に社会に貢献するということになるだろう。この実例は防災や環境問題などに利用されてきた確かな気象予測を大切にしながら、従来の枠を超えて、新たな気象ビジネスの市場創出や新たな社会問題解決のためのリーディングケースになることを強く期待し、今後も可能な限りサポートしていきたい。

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