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 Q&A


ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝
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第21回 BM学会主催イブニングセッション、10回目経過


 2013年7月2日夜10時近くを持って、ビジネスモデル学会主催の第10回イブニングセッション「病院がトヨタを超える日」も好評のうちに終了した。第1回から第5回についての要約はこの連載の第15回で述べたので、以下、第6回から第10回について簡単に振り返る。

 第6回は、早稲田大学大学院教授の内田和成氏が「日本の構造変化と企業戦略〜国内におけるビジネスモデル・イノベーションを考える 〜」、を題とする講演である。氏の講演は、「再考すべきヒントが沢山有った。宝の山だ。」「成功体験の罠を壊すことの大切さを学んだ。」「イノベーション事例が豊富で有った」「ズバリ先生のキャラクターだ」「・・・」と、参加者アンケートに記入された多くの高評通りである。

 第7回は、インターネット研究所所長の藤原洋氏が「ICTの新トレンドとビックデータ革命〜宇宙開発の新たな方向性を例として〜」という、講演である。今日、「ビックデータ」というキーワードは広く知られるようになったのはいうまでもないだろう。しかし、宇宙開発に関連付けて熟考し講演される専門家は少ない。ある大手コンサルティング会社のキーマンは「これまでのビッグデータに関する説明で一番腑に落ちた」」と高評した。

 第8回は、渡邉幸義氏(アイエスエフネットグループ代表取締役)による講演「雇用創造革命〜20代雇用を目指し」である。氏は、障碍者の障害を「個性」と考え、就労環境への配慮、彼らの強みを見つけ、独自の能力開発を行うことで、障害をお持ちの方以外の方にも就労環境を創造していくという、非常に興味深く感心するビジネスモデルを創出しただけではなく、その根底にある経営の心!を感じさせられた。

 熱心に聞く参加者

  第9回は、アメリカ在住で日米のベンチャー企業育成や日本政府公職で活躍されている原丈人氏を講師として招いた。 「当日は、ご本人が経験し見てこられたビジネスの世界の話だけでなく、spontaneousかつ豊かに人生を生きていく鍵をも伺えるというか、そういうエ ネルギーに接しながら、参加者一人ひとりが自分自身の体の内にある、同様のエネルギーを思い起こす、そういう貴重な機会になるのではないでしょうか」と、参加者募集の要旨ではそのように説明されたが、まさしくその通りの講演だった。

 第10回は、医療法人社団KNI理事長・北原茂実氏による講演「病院がトヨタを超える日」である。「今、医療を語るにあたって、避けて通れないのが『医療破壊』という現実である。」という氏の問題意識の下、医療法人KNIは、「世のため人のためより良い医療をより安く」、「日本の医療を輸出産業に育てる」、の2つを経営理念の下、早くから「総合生活産業としての医療のパッケージ輸出」に本格的に取り組んできた。参加者からは、「スケール、発想すべてが圧倒的にCreativeだ。」など、多数の高評が寄せてきた。

 毎回のセッションでは率直な質疑応答も刺激的になる場合が多く、その後は恒例の懇親交流会が行われ、松島会長の挨拶の後、講演者と聴講者、参加者同士の間、学会員と非会員、会員同士の間、活発な情報交換や懇談交流が行われる。BM学会主催の二ヶ月一度のイブニングセッションは、講演者と聴講者の区分は存在するが、専門家と学生の区分は見えない。気軽な雰囲気の中での知的な会合は明日に向けた多様な可能性を生ませることに繋がるだろう。

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